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水墨画

金泥粉と銀泥粉で水墨画を描く

水墨画は墨の濃淡だけで表現しますが、私の墨絵には積極的に金泥や銀泥を取り入れています。

アクリルガッシュも綺麗なのですが、やはり金粉や銀粉を使用すると大変美しく仕上がりますし、味が出ます。

おすすめの金泥、銀泥粉

金泥粉や銀泥粉をいつもどこで買っているかいうと・・・大変おすすめのショップが日本橋にある「小津和紙」さんです。1653年創業の伝統ある和紙屋さんで、水墨画や日本画用の画材の豊富さ、そしてスタッフさんの知識の多さもピカイチです。(配送もしてくださいます)

こちらでいつもこの金泥粉を買って、乳鉢に入れて膠で溶いて(すりつぶして)使用しております。

金泥粉は膠の量を調整してシルク印刷のように盛り上がりをつけるようにできることもあります。

こちらの豹の水墨画には金泥をたっぷりしております。(ショップで販売もしております)

実物を見るとすごく光沢感があります。

ちなみにこちらの背景に描いている格子柄は「市松模様」です。古墳時代の埴輪にも使用されているかなり古代から存在する文様で、江戸時代中期に人気を博した歌舞伎役者の佐野川市松が白と紺の石畳の袴をはいて流行したので「市松模様」と呼ばれるようになったそうです。名前から付いたのですね。

こちらは銀泥粉を使用した文様です。

私はよく肉食獣や創造の世界の動物(龍や麒麟など)を描くのですが、こちらの絵にも銀泥粉を使用しております。

個人的にですが、銀の方が黒と相性が良いので好きです。

この銀泥粉の上に真っ黒の墨が飛び散っている感じやカスレがサッと乗る感じはとても好きです。特に男性の方は好まれるようで、経営者の方がオフィスに飾るなどで購入されていきます。そして男性の方は「青海波」の文様がお好きな方が多い印象です。繁栄という小紋の意味が込められているためでしょうか?ちなみに墨×銀泥粉の水墨画は車メーカー様のオフィスなどに飾っていただけた事もあります。

アクリルガッシュではダメ?

金泥粉や銀泥粉は膠で溶いて使わなければなりません。そんな面倒なこと…と思われる方も多いのではないでしょうか?アクリルガッシュであればすぐに使えるので。そして、金泥粉のような画材は決して安くないのであまり使えないですし…

ただ、水墨画は作品にする時に「裏打ち」をします。裏打ちとは和紙が水分を含んで波打ってしまった状態をピンっと綺麗に整える工程のことを言います。裏打ちをする時は知らない方は驚かれるかもしれませんが、再度作品を水で濡らして糊付けします。墨って面白いもので、和紙に定着して乾燥すると、再度水に濡らしてもにじまないんです。(絵具は滲みます)

もし、和紙にアクリルなど油分を使った画材が少しでも入っていると裏打ちの工程中に滲んで作品が台無しになります!

しかし、金泥粉であればにじまないので綺麗に裏打ちができるのです。

なので、作品を綺麗に作りたいという方は金泥粉や銀泥粉を使用することがおススメです。

アクリルを使う時は

私も全くアクリルを使わないということではありません。ライブペイントの時は金泥粉をといている時間も乾かす時間もないのでアクリルを使う事が多いです。

また、裏打ち後の作品であればアクリルを使用しても大丈夫なことが多いです。

水墨画含め、アートには制約などないと思いますので、色々な画材に挑戦して絵を楽しんでいただければ嬉しいなと思います。

いつもはライブで描くような激しい絵が多い私も、意外にも繊細な絵をよく描いているので、ショップを覗きにきていただけるとありがたいです。

この記事の著者

井上 慶美

1986年生まれ。大学では 理工学部 生物学科にて化粧品原料であるセラミドの研究を行う。化粧品メーカーにてブランド立ち上げを行う傍ら墨絵師として活動を開始し、2023年9月に独立。
フランス留学をきっかけに日本文化と伝統を大事にしたいという想いを持ち、元々好きだった絵を通して日本文化を発信するために活動中。
昔ながらの技法を大事にしつつ現代に即した要素も取り入れながら墨絵を展開している。

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